10月27日、第50回衆議院総選挙が執行されました。
結果は与党が議席を大きく減らし、立憲民主党や国民民主党等の野党が躍進しました。
選挙のたびに不思議な話が出るのは、小選挙区比例代表並立制の謎です。
小選挙区は選挙区で1位の候補者だけが当選するというシンプルなもの。
しかし、比例代表並立制で、仮に小選挙区で落選しても比例代表で復活当選の道があるというもので、この際に党が決めた比例順位の他に、小選挙区でどれだけ惜しかったかで順位を決める惜敗率争いが発生します。
また、比例代表重複立候補ができなければ、小選挙区で勝つしかないので、無所属候補は小選挙区しか道はありません。
選挙区における候補者個人の支持よりも政党名簿が優先されるという考え方にもなります。※ただし、小選挙区で法定得票が得られなければ、比例区での当選はできません。
ここで、歪な選挙結果が出てくることになります。
例えば、神奈川17区、北海道7・12区、茨城7区、群馬3区、埼玉12区、岐阜3区、静岡4区、愛知10区、広島4区、山口2区、佐賀1区のように、小選挙区で落選した候補も全員復活当選した12選挙区。
また、神奈川19区や東京14・15区、千葉6区、大阪5・8・13・16区、愛知15・16区、滋賀3区、沖縄4区では、小選挙区で1位は当選、2位は落選、3位は比例復活という結果も12選挙区あり得ます。(大阪16区は、3位が最下位でも当選)
さらに、石川1区では、1位は当選、2・3位は落選し、4位は比例復活ということに。
選挙制度は法律で定められているので、これを無効にしろとは言いませんが、わかりにくいです。
選挙ごとに違います。
一般市区長村議会は大選挙区制(1自治体全体で選挙)、都道府県議会・政令指定都市議会は小~中選挙区制(行政区や地域選挙区割で1~数十名程度の選挙区割)ですが、候補者個人の氏名を書く選挙という点ではシンプルです。
一方国政は、参議院は選挙区と比例代表非拘束名簿方式(政党名もしくは名簿登載者氏名)そして、衆議院は小選挙区比例代表並立制。
10月15日のNHKの世論調査での支持政党なしは34.4%と3人に1人以上は、政党不支持。
比例代表制は政党ありきの制度で、政党助成金も同様です。
政治と金の問題を追及することや、自分で作ったルールを守るという当たり前のことを改めて主張することに違和感を覚えた人々が国民民主党躍進のきっかけになり、それ以外の人々は政党不支持になっています。
中選挙区制度に戻したり、政党助成金の在り方を見直したりすることは、最低限やるべきことですが、それをしないなら、国民が夢を持てる政治をするためにそれぞれの政党が生まれ変わるべきです。
投票率の低下は、政党不信を物語っています。
国会議員のみなさん、まずは選挙制度を見直してはいかがでしょうか?