主権者教育vol.6~選挙運動について~

senkyoundo18歳選挙権になると当然、高校生の中でも選挙運動を行う人が出て来るわけで、学校がその場所になる可能性もあります。

これまでの法律の解釈をまとめていくと、学校における選挙運動の規制については規定がなく、児童・生徒・学生の身分に着目した挙運動についての規制もないわけです。

ただし、昭和44年の旧文部省通達によると、「教育活動の場」である学校において、生徒が政治的活動を行うことは、学校の教育活動の場としての趣旨にそぐわないものであり、他の選挙権を有しない生徒に与える影響があることや、教育基本法第14条第2項が示す学校に対して政治的中立を要請する可能性から、政治的教養教育の必要性は認めつつ、生徒の政治的活動の規制が行われています。

しかし、この通達は、高校生の中に有権者がいないことを前提としたものであり、昭和44年当時は学生運動が盛んであったため、現在とは異なる時代背景があったと思われます。

「選挙運動は可能な限り自由にすべき」という観点と、学校が教育の場であることの趣旨や学校に対する政治的中立性の要請をどのように均衡させるかが課題になるため、昭和44年の旧文部省通達が見直されるべきと考えます。

具体的に、授業において、教員がその地位を利用した場合の選挙運動はどのようなものか。また、放課後に生徒間で選挙について校内で話すことはどの程度であれば許されるのか、と言った見解を一般質問の場で選挙管理委員会事務局長に確認しました。

しかし、選挙管理委員会事務局が見解を示せるのは当然のこととして、学校の教員がこの点について、しっかり理解した上で、生徒に指導していかなければいけません。

 

選挙違反

今回の公選法改正で、高校3年生の一部が選挙運動が可能になるということは、当然選挙違反の取り締まり対象になる可能性も拡大します。

6月に県立新城高等学校に川崎市選挙管理委員会事務局による出前授業が行われました。公職選挙法改正によって一部の内容を差し替え、選挙違反についても触れられていたと伺っています。

これから想定されることとして、選挙運動や選挙違反について、生徒から教職員が質問を受ける機会も増大していくことになりますし、その質問一つ一つに丁寧に答えるのが教育者の役割でもあります。

17歳の生徒がリツイートするのは選挙違反だという事例についての新聞記事もありましたが、このようなことに対応していかなければいけません。

そこで、選挙違反に対する啓発や指導について、代表質問の教育長答弁によると年内に主権者教育の計画を策定するようですが、生徒を守るための公職選挙法の研究は喫緊の課題です。

今回の改正公職選挙法で、選挙運動に関する改正が行われたわけではないので、早急に指導しないと、高校3年生は受験や就職が迫っているため、卒業後すぐに行われる参議院選挙で「知らないための違反」により取締りを受ける可能性もあります。

想定される違反として、候補者の子である高校3年の生徒が、投票依頼のために、昼食を学校内で振る舞った場合、高校3年生が選挙運動員として報酬を受け取った場合など、実際に起こり得る可能性が高いものもあり、これらのルールを教員が確実に理解し、正しく生徒に伝えていかなければいけません。

逆に、選挙違反に対し、過剰に反応し、政治参加の機会を避ける傾向は、未成年ならずともあることで、正しい選挙を理解するということは一朝一夕では行かず、結果的に政治離れや投票率低下につながることがないよう、適切な指導を早急に進めていかなければいけません。