ご隠居と八っつぁん

タイトルは落語の世界。

でも、落語に出て来た江戸の社会の良いところは、現在にも通じるものがあります。

多くの設定では、ご隠居は商店の家督を譲った穏やかで知識や経験の豊富な好々爺で、八っつぁんは好奇心旺盛で分からないことはご隠居に尋ねに現れます。そして、八っつぁんはご隠居の教えに奇想天外な解釈で応えていく言わばボケ担当で、この二人の掛け合いが面白いのが落語の特徴。

 

先日、麻生区の2人の「ご隠居」とお酒を酌み交わしながら、現代に必要なご隠居のお話が出ました。

江戸のまちとは異なり、店先や縁側に座っているご隠居は見掛けなくなりましたが、毎朝挨拶する関係のご隠居は住宅街でも見掛けます。

落語も当時の社会情勢をネタにしたものも多く、「ご隠居」は、どの時代も知識や経験が豊富な人材であることには変わりありません。

落語は、様々な困りごとも、八っつぁんのお惚けから笑いで吹き飛ばしますが、この困りごとを気軽に相談できるのがご隠居のいいところです。

 

ここで、ご隠居と八っつぁんの関係を、今風に言えば、「ナナメの関係」。

知らない仲ではないけれど、親密ではない関係。

家族でも職場でもない第三の関係。

ご隠居のところに集まる人たちにとっては、いわばサードプレイス。

今も昔も人が求めているものは同じですが、その関係性を構築する機会が少なくなっているのが現代。

そこで、「ご隠居」をどう活用していくかですが、あまりご隠居に求めすぎてもいけません。

落語と同じで、ご隠居が知ったかぶりをして、八っつぁんに間違って教えてしまうこともあり、多少のことはご愛嬌と考えられる緩やかな関係性も必要です。

 

麻生区には、様々な分野で視野の広いご隠居が多数いて、ご隠居は身近なところにいます。

挨拶することから始め、挨拶だけから、別の場所で偶然見掛けた際に新しい会話が生まれ、話の流れから、困りごとを気軽に相談する関係に発展するかもしれません。

ご隠居側は、江戸時代は代々同じ地で過ごす人や、長年住んでいる場所やその付近で働く人が多く、ご隠居同士のコミュニティも生まれやすかったところです。

しかし、現在はご隠居同士のコミュニティづくりも必要で、ご隠居ネットワークを作って行くことで、相談を受けたご隠居のプレッシャーも和らぎます。

 

令和のご隠居活用術が構築できれば、現代のすべての世代の人たちの課題解決に大きく寄与できると思いますので、政策的に進められるよう、検討したいと思います。

 

お二人の「ご隠居」さん、ありがとうございます。
※写真はAIで生成したイメージです。

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