東京都議会議員選挙が始まり、全国的にも注目されています。
しかし、都議選は都政云々より、「国政選挙の前哨戦」と位置づけられることが多く、市場問題の対応についての賛否はあるものの、都政に多少は目が向けられていると言う点では、いつもと違うように感じます。
でも、これから都政が注目されるかどうかは、当選した議員の裁量にかかると思いますので、有権者の厳しい視点で、政策と行動がどのように結び付くかを注視しつつ、投票行動に移して頂ければと思います。
選挙運動
選挙運動は、街頭演説や街宣車での遊説を見かけることがほとんどですが、実は選挙事務所に関わる人は、それ以外の人の方が多く、一般的には意外と知られていません。
選挙対策本部長。(選挙の総括責任者)
出納責任者。(そのまま会計等の責任者)
事務局長。(事務所運営事務の統括)
日程担当。(候補者日程を決める人)
遊説担当。(候補者日程に基づき、遊説スケジュールを決め、人員手配を行う人)
会計担当。(出納責任者もしくは出納責任者の指示で会計を行う人)
メディア担当。
ポスター担当。(告示日のポスター人員。選挙期間の前に、ポスター掲示場所の割り振りを行う作業も大変)
車両担当。(選挙の前後で、街宣車の手配、街宣車以外の車両の手配)
ビラ担当。(政党等に所属する候補者の場合は、確認団体ビラの配布が可能で、ポスティングもできるため、その人員。)
食事担当。(いわゆる炊き出し。弁当提供は1日45食以内と決まっていますが、それ以上のスタッフがいることが多く、ボランティアスタッフの手弁当の場合はみんなで少しずつお金を出し合ってご飯を作って食べることもあります)
総務担当。(立候補届出。個人演説会届出。選挙はがきの手配。電話作戦用の電話手配。名簿管理等)
設営担当。(遊説の場所取りや個人演説会の設営、要警護対象者の遊説の場合は、警察とのやり取り等)
電話作戦。(電話作戦で電話をかける人。電話作戦のための人員を手配する人)
IT担当。(ホームページやSNSの更新。写真・動画撮影等)
などその他事務所によっていろいろな担当に分かれます。人員の少ない事務所ではこれらを兼務する人もいます。
選挙対策本部長
私は学生時代から様々な選挙に関わり、いろんな担当をしました。
議員になってからは選挙対策本部長を2回務めましたが、常に私が心がけていることは、「逮捕者を出さないこと」です。
当たり前のことと思われますが、選挙は当たり前に生活していて当たり前のようであっても、実は、違反になることが多く、「そんなこと言ってたら選挙できない」なんてスタッフが怒りだすことがあってもそれを諌めないといけないのが、本部長の役割。
選挙の勝敗で勝たなければいけませんが、勝っても選挙違反で当選無効になった場合は、応援してくれた陣営のみなさまにご迷惑をおかけしますし、二度と選挙に挑戦できなくなります。
だから、本部長になると「逮捕者を出さない」ことが、最低限候補者のためにすること。
なので、選挙対策本部の総責任者であり、とんでもなく憎まれ役が本部長。
そして、他陣営とのトラブルがあった際や選挙違反のあった場合に謝罪をするのも本部長。
ゆえに、本部長をお願いする際は、三顧の礼をもって、いや、それ以上の礼を尽くすべきと思います。
でも、そんな本部長や事務所の応援団のことをまったく考えない候補者もいるので、選挙の様子をいろいろなところから見ていると、また、政治家の生き方がよく見えます。
遊説での想いを聞くことも大切ですが、ちゃんとやるかどうかの人柄の判断は、その前後に陣営がどんな行動をしているか、候補者がどんな動きをしているかに着目してしまう私です。