スマートシティでこうなる~第4回交通~

道路渋滞、電車やバスの車内混雑、柿生、片平、百合丘などにある踏切の問題など、様々です。
交通のスマート化は、リアルタイムの交通情報を利用者に提供することが重要です。
例えば、道路渋滞や踏切遮断情報、その日のイベント情報により、駐車場周辺の影響などの予測をナビゲーションシステムの中で可能できればより便利になります。
また、交通情報の表示板の数も増やすことができれば、現在でもより正確な情報が提供できます。
そして、渋滞が少なくなれば、CO2排出量も削減できます。

次に、公共交通について、バスの遅延が大きな課題になっています。
スマート化すれば、公共交通の定時運行を目指すという基本理念はそのままに、遅延情報や車内の混雑情報をリアルタイムで手に入れることが可能になります。すでに、電車が運休や運転見合わせになった場合の情報は、携帯電話に入るようになっていますが、回線が集中した場合に遅れるケースもあり、この点の改善が必要になっています。

以前、議会質問やブログで韓国のユーシェルターというバス停の紹介をしました。ユーシェルターは、バスの運行情報を始め、地図などの地域情報、ニュースや天気などの情報がタッチパネル操作で情報を入手できるバス停です。詳しくは、昨年12月のブログをご参照ください。
「スマートシティのメリット~公共交通編~」
https://tsukimoto.info/cms-v2/blog/entry776.html
既存都市の交通のスマート化という観点で、今年1月に、ソウル市交通情報センターを視察しました。そもそもソウル市は東京23区よりも狭い場所に1千万人も住んでおり、渋滞が激しく、バス利用者が減少傾向にあったという背景があります。バスの利用者を増やすため、バスの定時運行を目指す上で、バスにGPSを装着し、定時運行システムを開始しました。バス停はデジタルサイネージで運行情報が流れ、利用者にとってわかりやすいサービスになりました。
さらに、バス専用レーンをつくり、バス以外の車両が入った場合、もしくは道路自体への違法駐車があった場合に取り締まれるように、市内にカメラが500台ほど設置されているとのことです。
ここまで厳しい規制がいいかどうかは別として、ソウル市の渋滞は以前より減少傾向にあるようです。

さらに、これらの交通情報が把握できると、バス路線の見直しも可能になります。幹線道路を走る大型バスだけでなく、属性までとれる調査ができれば、山坂が多く、また道路が狭い地域への生活交通の導入の可能性が出ます。
コミュニティバスの導入には、路線・周知・採算性が重要になってきます。
採算がとれる路線を考えるのがかなり至難の業で、試行運転を繰り返すことが多くなっています。しかし、スマート化により適切な需要が把握できれば、コミュニティバスだけでなく、民間事業者が交通不便地域への生活交通に乗り出すきっかけづくりもできます。

このように、渋滞の課題から生活交通の課題を考える上でも、スマート化が課題解決に向け、大きく前進させる可能性を持っています。