ハネレン

IMG_8366ハネレンとは、「羽田連絡道路」という多摩川にかかる工事中の橋のことです。

平成29年に起工し、当初計画では、今年の7月に完成予定でしたが、平成30年・令和元年の台風の襲来の影響等により、二度の完成予定の延期となり、現時点で令和3年度内の予定になっています。

また、起工後に、道路取り付け部の構造の問題や台風の影響により、工事費用が増額され、工事が始まってから、議会では厳しい意見が飛び交う工事になっています。

 

しかし、この橋は、大変重要な意味を持っています。

羽田空港国際線ターミナルと、川崎市のライフイノベーション拠点を約600mの橋でつなぐ。羽田空港を中心として、大田区側のものづくり産業技術、川崎市側の研究開発拠点とものづくり等、双方の強みを活かし、交流活性化と相乗効果を目指し、国際競争力を強化し、経済の持続的な発展を目指します。

 

単に多摩川にかかる橋ではなく、「羽田から世界へ」、「世界から羽田へ」という東京都だけでなく世界との架け橋になります。

 

この工事は、結果的に延びていますが、空港隣接という事情に加え、生態系保全と景観配慮等の事情があり、高さや構造の制限がある上、短工期という事情が組み合わさった特別な工事です。

 

5月6日、自宅を朝5時に出て、6時から11時まで、多摩川中央部の橋桁架設を視察して来ました。

橋桁は千葉県富津市で作り、それを台船で運んで来ます。

昨年の9月と今年の4月の工事は、干満差を利用し、橋桁を設置する作業。

今回の工事は、台船から吊り上げる作業で、川の中央部の架設でした。

遠くから見ると、川の中央部に橋が架かっているので、もうすぐかと思いますが、これから先が1年以上ということで、ヤキモキしながら見ることになるでしょう。

今回のような船で橋桁を運ぶ工事のほかに、張出し架設、送り出し架設など、様々な工法を使って工事をしていくという点では、土木技術を駆使した工事になっています。

 

今回の視察で感じたのは、以前にここ視察した時と違って、台風等の影響によって干潟の場所が変わってしまっていることです。

いわば、河川の土砂の堆積が、工事に影響を与えたことが多く、川底の土砂を撤去する「浚渫工事」を追加する事態が生じています。

 

計画通りいかない工事に対し、厳しい見解を述べる点もありつつ、自然災害の影響を顕著に受けているのも事実です。

工事の話題では、計画が決まった時と、起工式と竣工式、増額補正や計画遅延などのニュースはありますが、工事工程というのはあまりクローズアップされませんが、今回は重要な局面を迎えた工程でありました。

羽田連絡道路の工事の様子は、川崎市シティプロモーションのTwitterで、「ハネレン女子の現場日記」で時折ツイートされていますので、ご参照ください。

一日も早い完成と、国家戦略特区の要としての羽田空港を中心とした、輝かしい未来になることを祈念します。