反対・賛成・反対!

川崎市職員の給与に関する条例今定例会で先行議決を要する議案が一昨日の衆院選の選挙補正に引き続き、本日は3件の議案についての採決。

 

議案第168号 川崎市職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の制定について
議案第169号 平成26年度一般会計補正予算について
議員提出議案第1号 川崎市議会議員の議員報酬、期末手当及び費用弁償額並びにその支給条例の制定について

 

どのような議案かと言えば、
まず、168号は、一般職員および特別行政職員の賞与の算出月数を増やすもの、すなわち、賞与を増額させるものになっています。この条例案では、一般職を本年度分から、市長・副市長を始めとした特別職を平成27年度からという設定になっています。
次に、169号は、168号の賞与の算出月数の改正に伴う平成26年度補正予算ですので、一般職の増のみ対象になっています。
そして、議員提出議案第1号は、国が引き上げたことや特別職の引き上げたことに伴い、議員の期末手当の増をはかるものです。

 

と説明させて頂いたところで、何で増なの?と疑問になります。

 

人事院勧告により、算定基準に基づいた、一般職の職員の賞与の引き上げについては、引き下げのときと同様で全国の統一基準になっていることから、賛同します。

 

しかし、特別職の引き上げは納得いきません。
その理由として、川崎市は今年すでに収支不足が見込まれており、8月に副市長より各局部に人件費を除く1%の歳出削減の指令が出されている背景があることから、今年度は見送り、来年の4月以降の対象分を引き上げるということでしょう。
と言えば、今年度の収支不足に対応しているからいいのかと思われますが、そもそも同じ8月に出された中長期の財政収支推計では、来年度は200億円近い収支不足が見込まれており、今年度以上に厳しい財政運営が求められている状況です。
よく「民間の感覚」という言葉を使いますが、資金繰りが厳しい会社の経営陣のボーナスを増額させるというのは、「民間の感覚」としてはあり得ないわけです。
決算議会直後のこの定例会で、特別職の賞与算定引き上げは理解に苦しみます。

 

関連して、議員提出議案第1号川崎市議会議員の給与に関する条例の一部を改正する条例の制定についても同様です。自治体を企業で考えれば、最高意思決定機関の取締役会が議会であり、そのメンバーである議員は取締役です。経営方針を決めたり、業務を統括したりというような執行部の要素はありませんが、市議会議員は市民を株主と例えれば、株主を代表した経営サイドの立場ですから、やはり、民間の感覚ではボーナス増はあり得ないため、反対しました。

 

議案第168号は、特別職・一般職の行政職員に関する賞与引き上げを求めるものなので、一部だけ反対とは言えないため、条例案に反対。
【採決結果:賛成55、反対2】
議案第169号の補正予算については、一般職だけの賞与引き上げであるため、賛成。
【採決結果:賛成56、反対1】
議員提出議案第1号については、議員の期末手当引き上げであるため、反対。
【採決結果:賛成37、反対20】
というような分割先議の採決についてご報告いたします。