視察初日は、林産物の先端研究と林産試験場の機能についての調査のため、旭川市にある林産試験場を視察しました。正式名称は、地方独立行政法人北海道立総合研究機構森林研究本部林産試験場。
林産試験場は、林産物、いわば、木の加工に関する全般の研究をしている機関になります。北海道ゆえに、カラマツ材の研究を始め、多くの研究を行っています。
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〇カラマツ材の研究
・たわみやヤニのない強度のある木材を目指し、新たな乾燥技術によりこれらの弱点を克服したコアドライの生産
・カラマツのCLT(クロス・ラミネート・ティンバー)開発
・耐火製品の開発
〇木製品づくりのICT活用
・3次元木材加工を可能にする開発
〇各検査や試験
・水没試験・散水試験・強度試験・防腐薬剤等の暴露実験
〇きのこ研究
・人工では栽培が難しいまいたけの研究現場視察
〇木育について
・木育の発祥が北海道ということで、コロポックルを始め木育遊びのできるスペースを視察
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視察の結果
〇国産材の価値について
・生材の利用については海外産に比べると価格競争では厳しいため、どのように付加価値を考えるかが重要と考えられます。
・コアドライやCLTは、製品としては一流であるが、製作過程でコストがかかるという前提にあるため、高級品として世に出す形になります。
〇川崎市の木材利用に関して
・川崎市では木材利用促進フォーラムで様々な議論が進められています。例えば、木材利用により、勉強に打ち込める効果があるというデータがあり、教育効果が高まる環境づくりの一つになります。国産木材利用促進に向けた基準づくりで、ただ国産材の利用面積を示していますが、天井まで木材にするためには耐火基準の課題があります。そこで、林産試験場の研究している耐火製品を先進的に取り入れ、内装を全面木質にすることも検討の余地はあると考えられます。