タレント発掘事業と言っても、芸能人を発掘するわけではありません。
スポーツの才能を分析し、将来のオリンピック選手を養成していく制度で、子どもたちが体力テストを受けた際、その結果により、適性を考え、将来活躍が期待できる競技種目を予測し、バックアップしていくシステムになっています。
小学4年生から中学生の間で行われた体力テスト、そして、その結果に基づき三段階のテスト選考を経て、毎年100数十名の子どもたちが対象となっている事業で、高校進学の際に、進路を斡旋しています。
絵の上手な子ども、音楽に才能のある子どもはその進路の可能性があるように、体力テストから、可能性を見つけていく制度になっています。
潜在能力がある子どもたちに、その力を発揮できるような発掘事業になっています。
成果の数値として、アジア大会や世界大会への出場者18名、日本一の記録達成者を28名輩出していますが、ほかに、マイナー競技が活性化し、それぞれの競技人口が増加しているという成果もあります。ライフル射撃、ウェイトリフティング、フェンシング、ホッケー、カヌーなどの競技の競技人口が増加しています。
また、この事業は10年前からスタートしていますので、活躍した子どもたちが、指導者として戻って来ているため、マイナースポーツと呼ばれる分野でも次世代の人材育成が可能になっているとのことです。
小学校・中学校期についての対象事業であるため、世界を目指す選手になるなら、高校進学後のサポートが必要とされることから、本事業の課題であるとのことです。
この事業では、高校進学時に競技種目を転向している確率はおよそ6割。
ライフル射撃で国際大会において銅メダルをとった選手は、中学までバスケットボールをしていましたが、バスケットボールでは世界に通用するようなプレーヤーでなかったが、これまでの身体能力や集中力を活かし、ライフル射撃に転向。そして銅メダルを獲得。
そんな才能が開花した一つの成功例と言えます。
スポーツが苦手、私には無理なんて決め付けてしまうことってありますよね。
私自身、運動が苦手だったので、どこかで決め付けていたと思います。
この選手のように、才能はどこに隠れているかわかりませんので、それを発掘し、自らの意思で進むことで、新しい可能性を切り拓けます。
川崎の子どもたちにもそのような適性を見つけ、夢を持って、その夢を実現できる子ども多く輩出したい。
タレント発掘事業のような試みを川崎市でも取り入れていきたいと思います。