北九州市議会の議会報告会

gikaihou4月19日、北九州市議会が開催している議会報告会について現地調査を行いました。政令指定都市では、初めにスタートした北九州市で、開催に向けた経過や始まってから5年目になる中で、どのような課題が生まれ、改善してきたかについて調査しました。

 

議会報告会開催に向けての経過

議会基本条例制定に向け、5人以上の会派による検討協議会が開催され、議会報告会の開催が条文に入り、条例制定後、平成23年から決算・予算での議会報告会が始まりました。

開催時期および頻度について

開催時期は、平成25年までは、予算・決算の議会後に開催されていましたが、2度の見直しが行われたこともあり、平成26年以降、常任委員会の議会報告会の検討が始まり、決算議会の報告の年1回開催に変更されました。

また、平成26年以降、開催場所は、各回3会場で開催し、そのうち1会場は市議会議場とし、他の2会場を3回進めることで、3回で7区すべてを廻るという形式を取っています。

運営について

報告会の開催については、決算委員会の正副委員長および3つの分科会の正副主査の合計8名からなる議会報告会運営委員会で決定され、流れは次のとおりです。

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9月に運営委員会は始まり、報告会の日程決定。

10月初頭より議会審議に基づき報告項目と運営の詳細について4回の協議。

11月報告会を3箇所で開催。

12月に実施結果報告書をまとめる。

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報告会の報告者は、副委員長が司会進行、委員長が全体概要説明、分科会審議について正副主査が説明し、説明時間45分、質疑応答45分の合計90分で運営されている。会場運営は報告担当者以外の議員がスタッフとして参加しているのも特徴の一つです。

参加者から決算に関する質疑応答の後、自由テーマでの質疑応答の時間もあるが、時間を超える可能性のある場合は、現地で質問を受け、後日ホームページで回答しています。

決算委員会での質疑項目のうち、市長質疑を中心に重点項目を定め、数項目をピックアップして説明。議場での開催以外の会場では、当該行政区の話題についても説明項目に加え、参加者の関心をより惹きつける取り組みも行われるように改善されています。

また、スライドを始め説明資料は報告担当の議員が作成し、事務局は部分的なサポートに留まっている特徴があります。

 参加者の傾向について

当初は参加者の年齢層が高い傾向にあったということですが、議員インターンシップの学生やその学生の所属大学教授等が研究対象として参加するようになったため、若い世代の参加も進んでいます。

また、主権者教育に関係した啓発も行っているため、20歳未満の参加者も増加しているという実績もあります。

総括

個々の議員の様々な手法による議会報告が行われていますが、議会全体としての議会報告会の開催により、地域の話題だけでなく、全市的な取り組みについても市民に知ってもらえる機会になり得ます。

決算審査は、翌年の予算編成につなげる役割がありますが、議会報告会をこの時期にすることで、報告会での意見も予算編成につなげられる可能性を持っています。

この点については、私が3年前まで議会運営検討協議会で決算審査特別委員会の市長出席と分科会方式を提案し、実現に結びつけて来ましたが、その動機となった予算決算の議会審議の連動の見える化がより市民理解に広がるきっかけになると思えます。