50年先を見据えた社会保障を考えよう!vol.3

kaigo介護予防で尊厳あるシニアライフを~介護予防の専門家の配置へ~

介護予防施策を進めているものの、高齢者のうち介護を必要とする人の割合の推計は年々上昇傾向です。

平成37年(2025年)には団塊の世代が後期高齢者の仲間入りをしますので、年齢を重ねると一般的に介護を必要とする人の割合が高まるということで、もう少し割合が

高まると予想されますが、その先で、割合が維持される、もしくは減少するように介護予防を戦略的に進めて行かなければいけません。

 

年間介護度変化率

東京都では数値化している年間介護度変化率の算出を提案しました。

現在の川崎市では介護度改善をした事業所が市に申請する「健幸福寿プロジェクト」がありますが、申請を受けた事業所の結果しか、市は変化率を把握出来ていません。

川崎市でも施設ごとや地域ごとで介護予防や維持改善に取り組んだ成果を出すことで、介護予防の効果を客観的に判断し、成功事例を共有していく必要があります。予算審査の調査の段階で、当局側より近い時期に算定していくという回答を得ました。

今後、変化率が明確に示されたら、予防事業所の取組や地域での取組のあり方が見直されていくことになりますので、この変化率の算出が変わる第一歩につながります。

 

介護予防の専門家の配置

地域の公園での体操から、介護予防の通所サービスなど、様々な介護予防メニューがあります。このような予防メニューがある中で、予防を指導する専門家の配置基準が多種に渡っていて、介護の段階によってその専門家の強みが異なります。

例えば、要支援や要介護度の軽度の段階だと健康運動指導士の指導、それより介護度が進むと理学療法士といった強みがあります。

また、介護プランを考えるケアマネージャーの多くは、介護の様々なサービスの最適利用の知識や経験が豊富でありつつも、予防プランのプロではないという課題があります。

そこで、先ほどの年間介護度変化率が示されれば、予防の取組の効果が見えるため、どのような専門家をどのようなサービスに配置すべきかがわかりやすくなります。

事業所を始めとした現場で指導する人から、予防プランを考える立場の人まで、予防のプロの配置が介護予防の効果を高める近道として、介護予防プランナーを始めとした専門家の配置を提案しています。