生き方・老い方を考える~介護予防につながる元気な未来~

ikioi要介護者にも認知症にもなりたくてなる人はいません。

また、家族もなってほしいと思う人はだれ一人いません。

ならないように、予防することはできますし、なったときのことを先に考えておくと、自分や家族の負担も少しは軽減できます。

その入り口になるのが、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)。

自分に介護が必要になったときのことを、元気なうちから、家族と話し合って、計画していくというものです。これは、1度ではなく、少し不自由になり始めたときにも改めて、さらに状況が進行した場合においても改めてと何度も確認するコミュニケーションが重要になります。

 

そのために、まずは、介護予防と健康増進。

介護予防は、元気なうちから、生き方・老い方を家族とともに考え、話し合っておくことが大切です。その適切な情報を得ることも大切で、その機会を拡充するのが行政の役割。

また、健康増進は、40歳の介護保険第2号被保険者になる年齢を一つの機会として、ライフプランを見直していくということから始めるべきです。

私は、東京都多摩市が、私が提案するような取り組みをすでに開始していて、生き方老い方を学ぶ「ライフウェルネス検定」や、40歳向けの健康啓発情報誌の発行による啓発が進められています。

 

次に、介護や支援が必要になった場合、どこでどのように過ごしていくか。

介護や支援が必要になっても、予防事業の取組によっては、介護や支援が不要になるまで回復することも稀ではなく、適切なサービスを受けることが大切です。

また、介護や支援を受ける場合、できる限り在宅で過ごしたいという方が多いものの、「迷惑をかけたくないから施設へ」という声が多くあります。そこで、在宅で過ごすためには、家族のサポート、医療と介護の連携による地域での支援が必要になり、認知症になった場合も、訪問支援事業を始め、医療機関との連携強化が求められます。これらのサポート体制を整える環境整備が行政に求められています。

 

そして、施設入所です。

在宅での生活が難しくなった場合、入所型の施設に入ります。

現在、特別養護老人ホームへの入所待ちが川崎市で3000人を超えています。

この数字に対し、ハコモノとして施設を作るだけでなく、介護予防を進めたり、在宅介護のサポートをしやすくしたりすることで在宅介護を促進することも、行政の役割です。これが地域包括ケアシステムの基本的な考え方ですが、実際に進んでいないのが実情です。

 

すべてのサービスは、介護人材の確保という課題が大きくのしかかってきます。しかしながら、家族や親しい人とのコミュニケーションで、ACPを進めることが、より健康的で、より希望に近い老後を過ごせるということにつながります。

 

私見ですが、終活というのは、大切なことかもしれません。しかし、高齢者が自ら終活を考える終焉を考えるのではなく、どう生きて・どう老いるかというプラス思考の生き方の中で、介護や認知症についても考えることで、家族や地域とのコミュニケーションがはかられ、幸せな老後につながると思います。

 

すべての人、一人一人が望む暮らしに近づけるようにするために、ACPの考え方と介護・認知症対策について、取り組んで行きます。