ウィズコロナ、アフターコロナと言われている昨今、本日の環境委員会で、交通局から市バスの今後の取り組みについて報告がありました。
左図は、新型コロナウイルス感染症により乗客数の影響が出始めた2月から7月までの市バスの乗車人員の推移です。
そもそも、昨年から市バスの料金改定を計画していましたが、国の認可が得られない状態が続き、コロナ禍にならなくても、経営悪化が見通されていました。
しかし、見通しがつかないコロナ禍で、利用者数が減少し、さらに経営悪化が見込まれます。そこで、交通局は、今後の取り組みについて、環境委員会で報告し、他の委員会に所属する我々議員にも説明がありました。
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今後の取り組みについて(委員会資料より抜粋)
今般の新型コロナウイルス感染症による事業環境の変化に迅速かつ的確に対処するため、次の取組を進めていきます。
(1)利用動向に合わせたダイヤ改正の実施
市バスではこれまでも利用動向に合わせたダイヤ改正を実施してきましたが、感染拡大を予防するための「新しい生活様式」の浸透などを踏まえるとともに、従前の乗車人員を超えないよう留意したうえで、利用動向に合わせたダイヤ改正を実施し、経営改善を図ります。
○ダイヤ改正の実施:利用動向に合わせたダイヤ改正を今秋以降、複数回に分けて実施
○車両台数の見直し:ダイヤ改正に伴い必要車両数に変更が生じることを踏まえ見直し
○職員定数の見直し:ダイヤ改正に伴い運転手など職員の必要人数に変更が生じることを踏まえ見直し
(2)市バスの運行に直接影響を及ぼさない業務の見直しによる支出抑制
安全・安心な輸送サービスを提供し続けていくため、運行の安全に係る取組や人材の確保・育成などの市バスの運行維持に必要不可欠な取組は継続しつつ、それ以外の業務については、現状の事業環境における必要性や費用対効果などを検討し、見直しを実施します。
○既存事業の見直し
・市バスが実施や参加をしてきたイベント等の見直し
・本年度予定していたバス総合案内表示板の新規設置の見送りなど
○業務の見直しに合わせた効率的な執行体制の構築
(3)国庫支出金などの財源確保
○地域公共交通における感染防止対策に対する国の補助制度等の活用に向けて取り組みます。
○新型コロナウイルス感染症に伴う公営企業の減収による資金不足への対応として、総務省から活用を示された「特別減収対策企業債」の発行を検討していきます。
(4)新型コロナウイルスの感染拡大防止
○バス車内において、運転手のマスク着用、車内換気及び車内消毒の徹底、お客様へのマスク着用のお願いなど引き続き感染拡大の防止に取り組みます。
○職員の感染によりバス運行に支障を生じさせないよう、職員の健康管理を徹底します。
○ウェブ会議の導入や多くの職員が集まることのないよう研修手法の見直しなどにも取り組みます。
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バス利用についての考え方
ここで、ダイヤ改正の話題になると、「本数が減って、バスが満員になる」と思われてしまいます。
しかし、資料から抜粋した内容にあるとおり「従前の乗車人員を超えないよう留意したうえで、利用動向に合わせたダイヤ改正を実施」となっていますので、多くの方が利用されている路線で劇的に減少するとは想定されません。
他方、バス利用者が少ない路線については、本数が減少することもあり、ダイヤ改正を丁寧に説明していくということになります。
地方出身者としては、川崎市内の場所によりますが、待ち時間がほとんどなく、公共交通機関が利用できる地域が多いため、少し不便に感じられることがあると思います。
しかし、いつでも来るバスから、ダイヤに合わせてバス停に行くという、余裕のあるライフスタイルに転換する時期かもしれません。
また、市バスに端を発し、交通不便地域解消も踏まえ、公共交通の在り方を踏まえ、検討していく時期に来ていると考えます。