ふるさと納税

今日は9月25日の決算審査特別委員会総務分科会で質問したふるさと納税について、お話します。

ふるさと納税は、自らの故郷や縁のある地域のために、納税をしようということで、東京圏一極集中による財源の緩和措置として導入されました。そのため、川崎市はふるさと納税で「持っていかれる」立場であることは制度の趣旨からするとやむを得ないわけです。しかしながら、制度の主旨とは異なる目的で運用が進められ、「お肉がもらえる」「お米がもらえる」なんていう返礼品争いが激化し、ふるさと納税の制度そのものがなくなると破綻すると言われる自治体まで出て来ています。

川崎市から流出するふるさと納税は、平成27年度の2億円から伸び続け、平成30年度は43億円になりました。平成31年度は、3月に予算決定した段階では49億円の予測だったものの、わずか3ヶ月で予算額を大幅に超える56億円の見込みになることが6月の委員会で示されました。

この報告の際に、私は租税教育を進め、川崎市財政局だけでなく、税務関係団体、法人会をはじめ、学校や企業等で構成される租税教育の研究組織において、ふるさと納税の問題をしっかり取り上げ、対応すべきと提案しました。

今年度から学校教育で使用する冊子等に、ふるさと納税について特記するような取組が進められ、これを活用していきたいという市の考えが示されました。

 

ただ、租税教育を進めることで、流出を防ぐということではなく、市民がより税に関心を持つことで、市税収入の減額を回避できる可能性があります。

ふるさと納税は、川崎市民が他の自治体だけでなく、川崎市にも寄附できます。この場合、返礼品はありません。

そもそも、ふるさと納税の意義の一つに、「納税者が自ら寄附先を選択できる制度」として、その寄附先の分野は、自ら選択できるわけです。納税者意識を啓発することは重要であると考えますし、主権者としての意識向上につながります。

そこで、本市の市民向けに、「自分の手で使う分野を決める川崎市のふるさと納税」というような、意識啓発を進めることが重要です。

その一つの手法として、川崎市はクラウドファンディングの導入も検討しているわけですが、「お肉」「お米」がもらえるという宣伝に負けない広報で、クラウドファンディングを進めないと流出は止められません。

そこで、財政局だけでなく、川崎市の様々な広報を駆使して、検討すべきと提案しました。

ふるさと納税で、マイナス面だけでなく、この制度が税制に関心をもって頂けるきっかけにもなりますので、ふるさと納税について、プラス面もマイナス面もアピールすべきです。

そして、ふるさと納税は、政治に参加する一つの手法として、「使う分野を選択できる納税制度」として周知していくことで、結果的に川崎市外への流出を防止し、納税者意識を高める方向につなげていきたいです。