政治と金の問題の中心になっているのが、この法律のいい加減なところ。
「世襲議員は、親の政治団体をそのまま引き継ぐのは相続だ」という声がありますが、そもそもこの法律、世襲の政治家に限らず、誰でも悪用できる制度になっています。
政治資金規正法で政治団体設立届(当然、関係書類を添付)を都道府県選挙管理委員会に出して受理されれば、政治団体として認められ、金融機関の口座を作ることができます。
ここでいう政治団体は、政党や政治家の後援団体に限らず、主義主張団体として誰もが設立できる政治団体も含むすべての団体です。
政治団体への寄附は、政党以外の団体に企業団体献金は認められていませんが、個人献金や政治資金パーティーは可能です。
例えば、大金持ちのAさんが相続税対策のために、息子Bが代表を務める政治団体を設立し、毎年量的制限最大の150万円の寄附をします。この政治団体は政治家の後援団体ではないので、寄附金控除は受けられませんが、この団体は10年で1500万円貯まります。個人献金が1団体への年間の寄附量的制限は150万円ですが、他団体と総額で1000万円が可能です。
さらに、この団体が政治資金パーティーを開催した場合はさらに収入を増やすことができますが、1回の政治資金パーティーにおいて一人(または一つの企業・団体)が購入できる金額は150万円までになっています。しかし、1回ですので、2回、3回とすることが可能になります。
極端な話、家族や仲間内で食事をする会を、事前に政治資金パーティーと称して開催することで、このようなことは可能になります。
政治団体は、毎年、政治資金収支報告書を都道府県選挙管理委員会に提出すればいいのですが、政治団体を解散する際に、お金をゼロにしなければいけないルールはありません。
解散すると、解散届を選挙管理委員会に提出後、政治団体から任意団体になるだけで、報告義務もなくなります。
政治団体のお金から事実上個人のお金に移行できてしまうシステムが存在します。
法律は知ってる者だけ得をする点も多々ありますが、様々な問題点を考えて、立法すべきところ政治資金規正法の盲点がここにもありますので、早急な改正が必要です。
政治資金規正法は問題になったときに一つずつ改正するのではなく、抜本的な改正を行うことが必要ですので、国会議員のみなさん、よろしく!