成人の日を迎えて

新成人のみなさま、おめでとうございます。

たくさんの人に出会い、たくさんの人の支えがあって、この日が迎えられましたことは、奇跡の積み重ねであり、心よりお祝い申し上げます。

新成人のみなさまが生まれた2002年度は、

5月から6月にかけて日韓共催のFIFAワールドカップ

9月に小泉純一郎首相が日本の首相として初めて北朝鮮を訪問し、北朝鮮が日本人拉致を公式に認め、翌10月に拉致された日本人5人が帰国

2003年3月にイラク戦争開戦

と、国際的な出来事があった一年でした。

また、ノーベル物理学賞に小柴昌俊氏、ノーベル化学賞に田中耕一氏と日本人でダブル受賞。

とりわけ、田中氏は、日本人サラリーマンとして初のノーベル賞受賞者ということで、たくさんの人に夢を与えたことは今も記憶にあります。

劇的な変化の年度に誕生された新成人のみなさまは、生まれてから、10歳になられる前に東日本大震災発災や2年前から続くコロナ禍等、これまでの半生は大変厳しい社会状況の中で育って来られました。

厳しい時代に育ちながらも、近年の若い世代のみなさまは、社会のことを自分事と捉え、様々な角度から、地域のためであったり、支援が必要な人へのサポートであったりなど考え、行動する人が増えていると感じています。

2030年が目標年次になっているSDGsは、誰一人取り残さないという考え方ですが、一人一人ができることを進めるにあたり、自分事として考えていくことが重要で、若い世代のみなさんにポテンシャルがあります。

そして、誰もが一人ではない。孤独を感じる人に、誰かが手を差し伸べる、それを自分事として考えられる力があるみなさんが、成人になられたのは嬉しいことです。

そこで、これからは大人として、社会の構成員として、時に社会のリーダーとして活躍してほしいと願っています。

厳しい時代に育った忍耐力を活かし、一人一人が夢を持ち、その実現に向かって、がんばって生きてください。

みなさまの一人一人が輝く未来になることを心よりお祈り申し上げます。

そして、新成人のご家族・先生方、新成人の成長に関わったすべてのみなさまに心より感謝申し上げます。