「公約をその通りに実行するとはならない」という我が国は、総理大臣が公約を守らない発言をする国ですが、米国大統領選挙のトランプ大統領は通商政策で、外国から輸入される製品について10%から20%の関税をかける方針を示していました。
米国の有権者が選んだ大統領が、税率に差があるものの公約通りに関税をかけたものです。
選挙で、自分の求める政策がすべて一致する政治家というのはいないもので、政治は妥協と言われるのは、政治家が政治を最大公約数で進めるだけではなく、有権者も最大公約数で選んでいくものになります。
しかし、最大公約数で選ぼうとしても、根幹に関わるところで一致する候補者がいなければ棄権することがあり、「あの人(政党)以外なら」という消極的な選択もあります。
「米国は他国との通商で損をしているから関税をかけるんだ」という発想は、大統領選挙の公約にあったもので、トランプ大統領の支持者のうち、どれだけの人がこの公約を支持していたのかはわかりませんが、選べばこのような手段に出る可能性があったわけで、関税政策の是非ではなく、米国有権者の判断が世界に大きな影響を与えたということにもなります。
また、一転し、90日間は10%で据え置きの上、交渉をしていくという方針が示され、報復関税をする国に対しては容赦しないという強硬姿勢も見せています。
政策の是非は別として、ブレていないのがトランプ氏です。
まさかの給付金?
関税の国民生活への対し、給付金というお門違いの対応策が漏れています。給付金は手続きに日数も費用もかかるということは、コロナ禍での数々の給付事業を見ても明らかで、必要なのは減税です。
ちなみに、国が給付金を発表してから、国民が受け取るまでにどれだけの日数がかかるでしょう?
予備費対応でできる金額ではないと想定され、補正予算を組むことになります。
そして、実際に給付手続きをするのは、市町村等の基礎自治体になります。国で決定してから事務手続きを基礎自治体に示し、その上で市町村は「具体的な」給付手続きを検討し、補正予算を組み、議会での議決を要します。
大都市では事務委託の入札等を経て給付するため、政府が給付金の方針を発表し、国会や地方議会での議決等を経て、手元に届くまでに最短でも2か月近くかかるでしょう。
給付されるまでに2か月もかかれば、給付される頃に状況が変わり、先の不安もあることから貯蓄にまわります。
減税や金利引き下げを!
関税問題の対策について、減税であれば、すぐに手続きが可能です。そして、スピードに加え、最大の利点は事務手続きに莫大な費用を要しないということです。事務手続きに要する費用分も減税できるわけですから、国民の手元に残るお金は増え、すぐに目の前のことに使えるという利点が加わります。例えば、生活支援の対応策として、消費税率引き下げや、軽減税率の見直し、ガソリン税の引き下げなどが可能です。
また、経済を動かすという点では、政策金利の引き下げです。インフレを抑制するために金利は引き上げるものですが、昨年来、景気が少し上向きになった程度の状況での金利引き上げという愚策から我が国の景気は停滞してしまいました。株価の乱高下と言われますが、基本的に暴落の一途を辿っているため、金利を引き下げるべきです。そして、企業の資金繰りを助けることが大切です。
そして、トランプ関税の対応は、我が国の政治の停滞を意味しており、石破総理が言う「楽しい国」の楽しさの欠片も感じさせない状況になっています。
繰り返しになりますが、トランプ大統領の公約にあった関税引き上げでしたので、我が国政府としては、大統領選挙に当選から就任までに、発動されたときの想定や対応策を考えていたのか疑問でなりません。
昨年の衆院選では比較第一党を保てたものの多くの議席を失った自民党は、総選挙後に石破首相を退陣させるべきでしたが、これをやらなかった結果が今につながっています。
政治は権力闘争ではなく、人々が安心して暮らせる社会をつくることです。
民意が正しいとは限りませんが、民意によって政治は動かされます。
トランプ氏が大統領選挙の公約通りに進めている関税問題は、我が国の首相の対応を含め、皮肉にも政治参加の重要性を説いていると考えます。
