栃木刑務所を見学して

keimu今年度は健康福祉委員会委員を務めていますが、社会福祉分野の一つである更生保護に関連して、女子刑務所である栃木刑務所を視察しました。

昨年12月に安倍総理が視察したということで、記憶のある方もいらっしゃるかと思います。

女子受刑者を収容する刑務所は10ヶ所あり、最大規模の施設の一つがこの栃木刑務所です。

近年、入所受刑者数は低下傾向にあるものの、女子受刑者の割合が増加傾向にあります。

栃木刑務所の受刑者の犯罪傾向としては、覚せい剤と窃盗で7割を占め、続いて、殺人、強盗・同致死傷、詐欺・横領と続きます。
受刑者の平均年齢は48歳と高い傾向にあります。

また、外国人犯罪も増加しており、栃木刑務所の昨年4月1日現在の統計によると、受刑者総数673名中、154名が外国人ということです。

女子外国人受刑者対策として、平成26年度に国際対策室が設置され、英語、中国語、スペイン語に対応しているということです。

 

女子刑務所特有のもの

まずは、女子受刑者特有の出産への対応。

次に、男子刑務所は犯罪傾向の進んでいる受刑者(再犯・累犯)と進んでいない(初犯)の受刑者が別の施設に収容される傾向にありますが、女子刑務所は施設数が少ないため、同じ施設で矯正指導を行うという点です。

ゆえに、初犯者が再犯・累犯者の影響を受けないように、受刑者の施設の中での工場や部屋割り等により慎重な配慮が必要になります。

また、矯正指導を行う女子刑務所の職員の多くは女性ですが、施設数が少ないため、配属が地方になりやすい傾向にあることと、いざという出動もあるため、隣接した官舎に住んでいるということから、プライベートが少ないということも特徴として言えます。

多くの受刑者を一人の刑務官が指導するケースもあり、常に緊張感を持って働く、もっとも厳しい職場の一つであると言えます。

しかし、信念を持って務める凛々しい刑務官の姿に、芯の強さを感じました。

 

川崎市議会議員として

犯罪防止に努めるということは、警察のみならず、すべての人が少しずつできることだと考えます。

例えば、私はライオンズクラブにて薬物乱用防止講座の講演を行っていますが、薬物乱用防止の活動も一つです。

そして、市民が刑務所を見学することで、罪を犯せば、刑務所の厳しい環境での矯正指導があると言うことを感じることが大切です。

さらに、このような刑務関連の職業を知ることで、犯罪防止に努める機会をつくることも重要です。

私は川崎市議会議員ですので、警察や刑務の所管ではありませんが、罪を犯させないためにまちづくりや社会づくりの場面で取り組むことは職務です。

犯罪は、社会環境、挫折、誘惑などのきっかけが必ずあります。

私は、薬物乱用防止講座の際に、薬物を勧められたときに、

「楽になるから」

「眠気がなくなるから」

「怖いのか、腰抜け」

などと言われても、

「断る」

或いは、

「誰かに相談しないと決められない」

と言う断り方の例を話します。

 

さらに、犯罪防止に向け、生きていく上で考えていくこととして、

犯罪の先にあるものの厳しさ、

困っている人に手を差し伸べる優しさ、

一人で生きているわけではないので、人に頼ることの大切さ、

物事を決める前の慎重さ、

そして、決める際の勇気。

と言うことが挙げられます。

 

犯罪防止に向け、安全に暮らせるまちを目指し、これからも活動していきます。