技術は日進月歩どころか、秒進分歩とまで言われています。
映画のバック・トゥ・ザ・フューチャーは、1985年の映画でした。この映画のパートⅡは、2015年。KAWASAKIしんゆり映画祭2015の野外上映会でも上映されましたが、1985年当時に描いた2015年は空飛ぶ自動車になっていましたが、指紋認証を通信で使っているものはあっても、多機能なスマートフォンで情報通信を行っている光景はなかったわけです。
1985年からの30年でも想像を超える技術革新があり、そのスピードは目覚ましくなっています。
身近なところが通信手段です。私が生まれた1978年は各家庭に電話はありましたが、その後、FAXが多くの家庭に導入されたのが、1980年代後半。この当時はショルダーバッグのような携帯電話で、主流はポケットベルの時代。1995年頃には多くの人が所持し始め、わずか3年ほどで、ほぼすべての人が携帯電話を持ち、そこからわずか10数年でスマートフォンが主流の時代へ。
ICTとルール
スマートフォンやPCのようなICT技術は進んでいますが、その使い方を誤って、人の生命に関わるようなことが生じ、社会問題となっています。
私はよく例え話をします。車の運転免許はただ運転技術があるだけでなく、交通法規を守ったり、運転できるコンディションを整えたりすることが出来ることが条件で、教習所に通い、筆記試験があります。
しかしながら、ICTはいまや誰でもが触れることができますが、その利用ルールは一定の制限はあるものの、基本的に自由です。何歳でも自由に大量の情報を得られ、その情報通信も容易くなっています。そのため、有害な情報が子どもたちに届き、被害に遭うことがあったり、SNSの使い方を誤り、いじめのツールになってしまったりしています。私はスマホ利用については一定の資格制度を導入するか、年齢制限をかけるべきと考えています。
このICTの一例を挙げましたが、ほかの分野でも、テクノロジー分野は、多くの人が想像しているより、その技術革新のスピードは速く、法整備が追いついていないことも多いです。
ルールづくり
技術革新とそれに対するルールづくりはどちらが先行するかと言えば、おそらく、技術革新です。しかし、新技術により法整備が必要なものを予想し、先回りできるように、政治家は考えていかなければいけません。
例えば、コミュニティ交通についてですとこういうことです。
いま、川崎市のコミュニティ交通の制度は、運行補助を出していないため、赤字になりやすく、本格運行ができにくい状態にあります。しかし、自動運転技術の進展が目覚ましく、10年先には本格導入できるとさえ言われています。すると、運行にかかる人件費が削減できて、補助金を必要としなくなります。つまり、このことだけでも、10年以内のルールと、10年先のルールを同時に考えていく必要があります。
これからすべきこと
世代を超えて考えるまちづくりが必要ですが、地域社会を考えるという点ではいまの20代前半以下の世代が強く、この考え方を活かす機会を作るべきです。
この若い世代が思い描く社会をどのようにリアリティあるものにしていくかが、我々中年世代で、豊富な経験をもって課題解決の心強い相談相手が高年世代です。
そして、地域活動はすべての世代が、対等な立ち位置でお互いを感謝し合って進めて行くことが、誰一人取り残さないまちづくりになります。
そう、誰一人取り残さないのは、SDGsの精神です。SDGsの精神で新しい社会に向け、新技術に向けた、新しいルールづくりを進めて行くことが大切です。
様々な新技術や新しいビジネスモデルがあって、まちづくりは進められますので、2030年のSDGsの目標達成に向けて取り組むとともに、その先の時代を考えたルール作りに向けた研究を日々行うことが重要だと思います。