大義と実態

昨日、中学校給食に関するアンケートの集計結果が委員会で報告されました。

給食にしてよかったか?

なんて質問で、ダメって大半が答えたとしたら、それは何のための準備検討だったのかわかりません。

といった、「よかった」と書かせるアンケートが実施されつつも、大義の方向とはかけ離れた結果も見えました。

 

私は中学校給食のセンター方式の今回の実施に川崎市議会議員で唯一反対しました。

理由は以前書かせて頂きましたが、

 

食育の中身と効果目標についてのビジョンがない。

子どものアンケートの8割が家の人の弁当を望んでいた。

昼休みが事実上短くなり、急いで食べないといけなかったり、部活動や他の時間へのしわ寄せが起きたりという懸念。

そして、食べた子どもたちが将来に負担するという財政の問題。

 

で、中学校給食の実施方針の筆頭に書かれているのが、「食育」。

給食の目的や目標に、親の負担軽減や貧困世帯対策なんてことは、書かれておらず、大義は「食育」。

続いて、安全でおいしい。

安全でおいしくなかったら、まずもって論外ですが、おいしくないという回答も散見されましたが、全般的に、「おいしい」という回答があったことは評価できます。

しかしながら、大義である「食育」については厳しい意見を述べざるを得ない結果になりました。

 

アンケートのうち、食育に関する部分は数少ない上に、子どもの理解も保護者の理解もあまり得られていません。

例えば、給食に市内産農産物が使われていることを知らない生徒が53.1%、保護者でも37.2%。

また、「マイはし」を生徒は持参していますが、この制度について、好意的な意見を述べた生徒は3割強。

さらに、給食導入によって家庭で食事に関する話題になることはあるかという保護者アンケートの「ほとんど話題にならない」が45.9%。

食育を前面に出した給食導入でしたが、食への理解が深まったというような効果につながっているものとは考えられない結果になっています。

 

さらに、驚くべきは、教職員向けのアンケート。

給食に市内産農産物が使われていることを知らない、または無回答等の教職員が4.7%もいるという結果。

ここは100%でなければいけないはずで、教育委員会に厳しく、対応を求めました。

 

誰のための給食でしょうか?

私は給食が生徒たちの将来のためにあることを大義に導入したわけですから、しっかりとした実態が伴わなければいけません。

来年度に給食に関する指導プランの見直しがまとめられるので、そこまでにしっかり注視していきたいと思います。