安心して生活できる医療提供体制を目指す!

今日のブログは、月本たくやレポート第54号の主な内容である在宅医療支援についてです。

コロナ禍で、感染拡大により、自宅療養が余儀なくされている中、東京都と大阪府を中心に、民間の緊急往診による在宅医療のサポートを行っている「ファストドクター」のスキームを活用し、自宅療養の支援が進められています。

この「ファストドクター」のスキームは、コロナ対応だけでなく、普段から同社が進めている夜間の急病を始めとした緊急往診も可能となり、子育て世帯・高齢世帯を始め、全世代が安心して暮らせるための医療提供体制に向け、大きく前進します。

感染拡大防止と適切な医療提供体制確保

 現在の「緊急事態宣言」の発動内容では、長引くコロナ禍による自粛疲れや経済的理由から要請に応じられないということから、人流の抑制による感染拡大防止は厳しくなっています。

 海外では、現在の新型コロナウイルス感染症について、日本でいう第5類感染症相当に変更しているところもあります。ただ、感染拡大に備える警戒は続ける必要があり、感染者の医療費負担の課題もあります。

 様々な意見のある中ですが、共通するのは、「感染拡大防止」「適切な医療提供体制の確保」です。感染拡大防止については、人流の抑制につながっていないものの、公共施設や店舗などの多くの外出先における感染症予防策が施されています。デルタ株の到来により、感染対策をしていても感染拡大しているケースはあり、生活していて、「ゼロコロナ」の実現は難しいわけですが、ゼロコロナに近づける努力は進められています。

 また、適切な医療提供体制の確保については、病床逼迫から自宅療養が増えていますが、同時に自宅療養への不安の声が寄せられています。東京都や大阪府では、自宅療養者の往診サービスをしているファストドクターとコロナに関する協定を締結し、自宅療養支援が進められています。

 8月5日、私はファストドクターの代表医師である菊池亮氏と面会し、東京都で進められている自宅療養のサポートについてヒアリングし、川崎市での自宅療養対策について意見交換しました。

ファストドクターは1,020人を超える医師が、夜間に急病で動けなくなった方や通院が難しい方への医療相談・病院案内・トリアージ(治療優先度を判断)による救急往診も行う事業です。この事業は、電話対応は24時間、往診は月~土曜日は18時~翌6時、日曜日・祝日は24時間対応になっています。

同社の医療相談や救急往診のノウハウを活用し、東京都や大阪府は適切な医療を提供していくため、連携しています。

もしかしてコロナ?と不安の方への対応

 ここ数ヶ月、発熱や倦怠感等の症状のため、コロナかもしれないという不安になられた方からご相談を受けることが増えています。しかしながら、医療機関が逼迫していることや、「病院に行くことで感染のリスクが高まるのでは?」という不安で、「受診難民」になりかけている方のご相談をたくさん受けます。菊池代表と面会した後、ファストドクターが信頼できる体制であると確認できましたので、ご相談を頂いた方に同社を紹介したところ、看護師による電話対応、必要に応じて医師による往診が行われ、多くの利用者の方にご満足頂きました。

 ファストドクターは、川崎市の現在のスキームでは対応できていないところを民間サービスによりフォローを可能にするものと考えます。

 救急車が出動しても不搬送になるケースが出動数の2割近くが報告されており、感染拡大している8月のある週では、不搬送のうちの2割以上でコロナ陽性になっています。ファストドクターの医療相談や往診により、このように不搬送ではなく、適切な医療を速やかに受けられ、救急車を必要とする場所に出動させられることが期待できます。

コロナの危機から、安心の子育て環境整備と高齢者の在宅生活へ

 在宅での医療相談や往診は、コロナ禍に限ったことではなく、日常の生活において、「受診控え」にならないことが期待されます。

まず、かかりつけ医のいない人が急病になった場合で、救急車を呼ぶかどうかを迷うケース、子どもが夜中に熱を出した、小さな子どもがいる家庭のお母さんが急病になった、離れたところに住んでいるお年寄りが急病になったなど、様々な急病のケースがあります。救急車を呼ぶことに抵抗がある方も少なからずいらっしゃいます。こんなケースは、日常生活の中でいつ起きるか分からず、子育て世帯、高齢世帯が安心して暮らせるためにも、ファストドクターが進めている緊急時の往診が可能な医療提供体制の確保を務めていくことは重要です。

かかりつけ医の負担軽減にもつながる在宅医療支援

 現在の医療制度の中で、「かかりつけ医」は、24時間患者対応になっています。しかし、かかりつけ医がいるということは基礎疾患があるわけで、診療時間外の対応が続けば、多大な負担になります。

 しかし、診療時間外は別の医師が往診し、かかりつけ医に報告していくスキームが活用できれば、現在のかかりつけ医のみなさまの負担の軽減につながりますので、ファストドクター事業はその可能性の一つと考えます。