スマートシティの定義は、「より賢い手法・技術で地球環境に優しい状態を実現した都市」という漠然としたものです。
したがって、各都市によって、その領域や形式が異なるわけです。
また、川崎市は、「環境再生のまち」として今まで取り組んできている要素がたくさんあり、それらの点を面的に進めて行く必要もあり、まさに領域や形式をどのようにするかが、課題になります。
私は、12月19日の一般質問では、スマートシティのモデル事業について質問しました。
11月25日より、市がスタートさせた、「川崎スマートコミュニティ事業委員会」は、川崎駅周辺のスマートシティモデル事業をどのように進めて行くかを検討する委員会です。
これは、あくまで1つエリアをどのようにスマート化するかという検討委員会で、市の見解ではこの事業から市域全体に拡大するということです。
再生可能エネルギーをどのように効率的に使用し、川崎駅周辺を環境に優しくするか?を中心としたものが、この委員会で、スマートシティの定義は、どうしてもこの部分だけを見られているような気がします。
私の質問は、公共交通に関する部分で、韓国ソウル市のバス事業を参考例とした提案型のものを行いました。
画像のものが、ソウル市内のバス停の写真で、タッチパネルで様々な情報が入手でき、バスを利用しやすくなっています。
公共交通については、情報の収集と分析が大きな要素になります。そもそも収集方法に問題があったり、正確な情報を収集しても、分析方法に問題があったりと、スマート化を進める以前に問題の壁にあたる可能性があります。
第1段階として、ICTツール、検索情報、紙媒体等を駆使して、通常の利用者、地域在住者、乗車中の利用者など、様々な視点での情報収集を行うことが必要です。
第2段階として、モデル事業を進め、リアルタイム情報を市で管理すると同時に、公共交通利用者ばかりでなく、一般交通の利用者に提供していくことが必要になります。
第3段階でモデル事業の結果を分析し、課題解決されれば、実用化になります。
この効果により、1つ目に、複雑なバス路線やターミナル駅での複雑なバス乗り場の問題が解消されることにより、利用者が便利になり、バスが使いやすくなること、2つ目に、よく話題になるバスの経路ミスがなくなることが予想されます。また、カーナビシステムの技術が進めば、地域のイベントによる混雑予測もできるため、渋滞が少なくなる可能性もあり、公共交通のみならず、一般交通にも大きく発展できることが期待できます。
渋滞緩和=CO2排出量削減や化石燃料の使用量削減につながります。
バス自体も現在ハイブリッド車が導入され始めていることもあり、車両自体のスマート化が進められています。
これらのバスのスマート化を進めるにあたり、まずはどこで、モデル事業を進めるべきかという話題にもなってくるかと思います。
私は、交通課題が山積し、市バスと民間バスが多数運行している、麻生区でモデル事業を行うことが望ましいと考えます。そして、その成果を市内各ターミナル駅へ拡大できれば、成熟都市でのスマート化という今まで難しいと言われてきたものが実現できます。
スマート化で、人が無理をせず、便利に地球にやさしい社会を築くことが、持続可能な社会の構築につながると、私は考えます。その大きな一つの柱が交通のスマート化になります。