スマートな市民参加

先日、みんなの党川崎市議団初のタウンミーティングを開催しました。
ニューヨークで地域の方が主体となって運営されている「コモンズ」を参考に、「みんなのコモンズ」を開発し、ベータ版を使っての課題抽出をテーマとしたタウンミーティングでした。
今回は、川崎駅を中心とし、川崎区と幸区で行いましたが、運用上の課題も同時に出てきたので、今後の実用に向けて様々な検討を進めていきます。スマートな市民参加というタイトルで、今回のブログを書きます。
「まちづくりの主体は市民のみなさまです」というキャッチフレーズはよく耳にします。
しかし、選挙の前後しか政治に参加している実感がないのが、多くの市民の方の印象だと思います。
「声なき声を届けます」
これもよく耳にしますが、どうやってその声を聞いて届けるのか?

川崎市は、市全体よりも区にアイデンティティーを感じる人が多く、市民満足度調査の分析を行っても、各区という考えが顕著に現れています。

区で何をどうするか?
区民会議というものがあります。
この区民会議を発展させることが、課題解決の糸口です。
区民会議をしっかり活用するためには、次の要素がキーになります。
1、 区内の課題抽出
2、 区民会議の運営
3、 課題解決方法

1、区内の課題抽出
まず、区内の課題抽出ですが、これには、先に書いたコモンズも一つの方法です。
また、現在、市役所や区役所で行っている調査もその一つと言えるでしょう。
そして、昨年のブログで紹介した討論型世論調査が、一歩先を行く有効な手段ではないかと思います。
討論型世論調査は、参加者を区内の人口構成の縮図をつくりつつ、無作為に選び、情報を伝えた状態で、参加者同士で課題の抽出や課題解決の議論をワークショップ形式で行うという形です。
情報不足のため、課題だと思っていたことが実は課題でなかったり、現在の課題より一歩先に本当の課題があったりと様々な問題点が見えてきます。

2、区民会議の運営
区民会議の委員の構成や議題の決め方、事業化を進めている区民会議もありますが、区ごとで進捗の温度差もあります。
多くの自治体で「地域自治協議会」のような名称で、指定都市の区単位や一般市の市単位から、中学校区や小学校区単位などで構成されているもの、中には、区と中学校区の二段階で設置されている自治体もあります。
委員の選考方法も完全な公選制から、公選と団体推薦を組み合わせたもの、団体推薦を中心としたものなど、様々です。
また、議題の作り方も、区ごとで異なりますが、その時々の委員の方の色や、行政の色で左右されているようにも見受けられます。
私は、討論型世論調査によって課題解決の方向性が見出せることは後押しし、見出せない課題は区民会議の中で議論を行う、さらには、市議会で議論を行うことがひとつの方法ではないかと思います。

3、 課題解決方法
課題解決には、個人で行うもの、町内会や自治会で行うもの、地域団体で行うもの、行政が行うものなど、自助・共助・公助のスタイルがあります。
自助・共助でできることは進めて、公助を少なくすることが、小さな政府の考え方の基本になっているので、自助・共助の範囲で、どこまでできるかがポイントになります。
「川崎都民」と呼ばれる人が多い、我が麻生区を始めとした川崎市民の方々が、市政や地域に参加することに壁があったり、面倒だという先入観があったりします。しかし、何をもって市民参加というかが、もうひとつのポイントになります。
私の住んでいる町会では、年に3回、町内の一斉清掃があります。
そこに参加するのも地域への参加。
お祭りの手伝いをするのも地域への参加。
学校行事を手伝うことも地域への参加です。
さらに、地域の気付いたところを伝えたり、課題解決に参加したりすることも地域への参加で、そのひとつの手段がコモンズです。

区内課題を区内で解決し、広域課題を市で解決することが、スマートな市民参加、スマートな地方自治と言えると考え、実際の制度設計に向け、今後も努力してまいります。