河合純一さんと言えば、パラリンピック水泳で金メダルを取られた方としてご存知の方も多いかと思いますが、全盲で初めての中学教師として社会科を教えて来た教育者でもあります。
東京オリンピック・パラリンピック2020招致についての対談を行いましたが、河合さんの視点は、アスリートとして、未来の日本を考える教育者としてのビジョンがあり、強い志を感じました。
河合さんとの対談は後日掲載しますが、市民みんなでできる招致活動について伺った部分だけ抜粋して、今回は掲載します。
◎月本たくや:
他候補地の世論調査で高い数値が出ていて、東京も70%を超える支持率と高まって来ました。我々がピンバッジをつけていくということはもちろんですが、我が川崎市も東京で開催される場合、等々力陸上競技場も開催地の一つになると予想されます。我々市民がみんなでできる誘致活動は?◎かわい純一:
(東京オリンピック・パラリンピック2020招致に向け)7年後の川崎市や日本をどう考えるかが重要です。イメージできない方が多くなっているのが現状だと考えます。支持率の高い国では、その7年後が漠然としたものではなく、オリンピックにより盛り上がるしっかりイメージが共有できているということです。
日本は世界有数の経済大国で成熟社会でもあるため、これ以上によくなるということがイメージしにくいという点がお国柄なのかもしれません。
しかし、オリンピックにより、経済効果や雇用拡大だけでなく、パラリンピック開催により、車椅子や視覚障害など障がいを持つ選手や応援団が来ます。このような方々が来て「東京は移動しやすい生活しやすい」という声が聞こえるようになれば、日本の障がい者の大半は65歳以上の高齢者で、病気、けが、事故などで障がいを持つケースが多く、日本の誰もが過ごしやすい都市を東京で作ろうという動きになれば、意義深いと考えます。
そして、日本の他の都市や地域に波及すれば、世界の大都市であり、高齢化が最も進んでいる国日本でそのモデルを示せれば、様々なハード面やソフト面での効果が期待できます。中国やインドは20年後30年後に同じことが予想される。そのときに大きな意味でのビジネスチャンスが生まれます。パラリンピックを含めた招致活動で誰もが暮らしやすい社会、誰もがスポーツを楽しめる地域づくりができれば、スポーツを楽しむということは、健康で楽しい生活を送ることにつながるので、そういう想いをひとりひとりに届けていくことができればと考えています。
東京オリンピック・パラリンピック2020招致に向け、パラリンピックの意義について、河合さんだから伝えられるメッセージがあると思います。そして、パラリンピックを通じ、今まで感じられなかった東京の魅力、日本の魅力を伝える機会にもなります。今回の対談では、教育的視点やアスリートとしての観点などから、様々な河合さんのメッセージがありますので、後日掲載しますので、お楽しみに。