この日本に貧困な子どもってどれだけいるの?
と言われますが、
平成27年の国民生活基礎調査によると13.9%(7人に1人)。
平成24年時点では16.3%なので、やや改善傾向にあるものの、7人に1人ですから、1クラス35人で考えると平均5人。
他人事ではありません。
そこで、様々な貧困対策が行われていますが、貧困の原因は世帯所得によるので、経済的支援が中心に進められています。
しかし、これがお役所の縦割りでは非常に複雑です。
例えば・・・
・生活保護・・・健康福祉局
・就学援助・・・教育委員会
・児童扶養手当・小児医療費助成・・・こども未来局
すべて申請主義ですから、対象世帯であるにも関わらず、支援制度を知らなかったということも多々あります。
それぞれの支援が貧困対策として、子どもたちの成長にどのようにつながっているのかを検証していく必要があります。
これは経済的支援のデータと、虐待相談、保健指導相談、教育指導相談等の個別情報を集約していくことで、課題が現れて来ます。
その課題に対し、先手を打っての支援も可能になるわけです。
また、貧困が世代間連鎖するため、その根絶のためにも対策が必要になります。
ひとつの例としては、大阪府箕面市で「子ども成長見守りシステム」が進められています。
人口13万5千人ですので、人口だけでは川崎市の1つの区よりも少ないまちになります。
川崎市は区ごとで様相が異なるため、このようなシステムを導入することで、所得格差だけでなく、地域間格差についても、検証できる可能性があります。
役所内であっても情報の目的外利用にあたる可能性もあり、制度を進める上での課題はあります。
しかし、情報を寄せることで、支援の効果を測定し、支援のあり方を見直すことも可能になります。一度始めた支援はなかなかやめられません。やめることだけでなく、改善するにあたっても、経済的支援の場合は支援額を増やす以外の見直しはなかなか難しい現状があります。
このシステムの導入により、経済的な支援以外の支援のあり方についても考えられるようになります。
子どもたちが自立し、社会で共生できる大人になるために、このシステムの導入は、解決策を生む一つの可能性になり得ますので、今議会で提案しました。