阪神・淡路大震災発災から29年

阪神・淡路大震災で、犠牲になられた方々に心より哀悼の意を表します。

あれから29年。

大阪府箕面市に住んでいた高校一年生の私は、地震発生とともに目覚め、布団の中から揺れる天井を見上げていました。

何もできない、呆気に取られた時間が流れ、その後、震源地が淡路島であり、建物が倒壊し、煙が上がる神戸の街の映像がテレビから飛び込んで来ました。

最寄りの阪急桜井駅まで行くと当然電車が止まっていましたが、当時はテレビやラジオからしか情報を取る術はなく、被災状況がまったくわからない時間が過ぎて行ったことを記憶しています。

本年元旦に発生した能登半島地震において、阪神・淡路大震災から29年でICTを始めとした様々な技術が進展しているにも拘わらず、被災状況の把握に時間を要したことは、地形的な問題だけでなく、政府の対応の課題であり、今後、検証される必要があります。

地震で直接犠牲になられることがないよう、耐震対策や様々な備えをすることは大切です。一方で地震発生後に亡くなられる災害関連死を防ぐことは重要で、そのためには、被災状況を早急に確認することがまずもって必要です。

今回は海岸線から入り組んだ山間部も多く、都市部や平野部での震災に比べ、情報を掴みにくい事情はありますが、政府が適切な指示を行うことで、極寒の中で救助・救援活動している自衛隊や消防隊等が組織的かつ迅速な対応が可能です。

そして、公務員だけでは難しい道路を始めとしたインフラ復旧、仮設住宅の設置等を早急に進めていくよう、関係団体に協力を頂くことで災害関連死の防止につなげてもらいたいと思います。

昨年も触れましたが阪神・淡路大震災で大きな被害が出たのが大規模盛り土造成地の滑動崩落です。ハザードマップだけでなく、盛り土マップを確認し、自宅周辺や学校周辺で災害時に危険な場所がどこか、災害時に危険な場所を避けた場合の行動はどのように行うかなど、改めて見直して頂き、減災につなげてもらえればと思います。