路上喫煙防止と密閉型喫煙所

 川崎市内全域で路上喫煙防止になっていますが、新百合ヶ丘駅周辺を始め7か所がポイ捨ても含めた重点区域に指定され、指定喫煙場所を除き喫煙を禁止していて、違反者に対して指導・警告を行い、従わない違反者から罰則として2,000円の過料を徴収しています。

 私が初当選した平成23年度に当時所属していた市民委員会の議論の中で、それまで実際に過料徴収の実績がなかったことから、取り締まることで抑止につなげようということになり、その後、違反者に過料が適用されました。

 数年の間、過料徴収実績が上がっていましたが、ここ数年はゼロであったり、数件であったり、重点区域での「ある程度」のマナーが守られるようになって来ました。

 一方、重点区域以外で路上喫煙する人はいて、重点区域以外で吸い殻が散乱している場所がたくさんあります。

重点区域以外の啓発

 路上喫煙・ポイ捨て禁止の啓発をするにあたっても、ポスターや看板類を設置しようとしても、ポイ捨ての多いポイントになかなか設置できないような課題があります。そこで、道路上に張り付けるような啓発物を提案していますが、本会議で取り上げようとしたら、継続審査中の陳情かかるため、質問できないということで、議場の裏側で行政に提案し、具体的な対応を求めています。

 

密閉型喫煙所の必要性

指定喫煙場所はただパーテーションで区切られているだけで、その周辺で喫煙する人が多く、指定喫煙所付近に吸い殻がたくさん落ちています。

また、指定喫煙所周辺で喫煙する人が結構いるため、煙や臭いが周辺に広がります。そこで、渋谷区等で設置しているコンテナ型喫煙所(密閉型喫煙所)の設置を提案しました。例えば新百合ヶ丘駅の指定喫煙所は、道路の歩道上になります。道路上に構造物を設置する場合は、公衆トイレや公衆電話、派出所等は通行の障害にならない程度で設置可能ですが、それ以外は「公益上の必要性があり建築審査会の同意を得たもの」に限られています。法的に設置が可能で、この建築審査会で同意されるかどうかがポイントになります。

しかし、実際に渋谷区や港区を始め複数の自治体で建築審査会の同意を得て設置していますので、川崎市でも不可能ではありません。

吸う人も吸わない人もそれぞれの権利が守られるのが、密閉型喫煙所です。この写真は渋谷駅モヤイ像横と新橋駅SL広場のものです。新橋駅の喫煙所は、行列ができていて整理員が配置されています。一方渋谷駅の喫煙所は、満室の場合、自然に並んでいます。どちらの例も喫煙所を待つ人が喫煙していませんし、喫煙所外で喫煙している人もいません。さらに周辺に吸い殻が落ちていなかったのが特徴として言えます。

一般質問では、密閉型喫煙所を設置しようとした場合の手続きの確認を行いました。これにより、今までは密閉型の喫煙所が厳しいと言われていたことから、可能性が見出せるようになりました。

密閉型喫煙所の課題としては、空調等のコスト、防犯対策として夜間の施錠等の必要性が挙げられます。たばこ税については特定財源ではなく一般財源になるため、たばこ税からここに充ててほしいということにはなりませんが、予算上可能であると考えます。

吸わない人には煙や臭いが広がらない、吸う人には雨天時に屋根のある場所で喫煙できるという双方にメリットがありますので、密閉型喫煙所の設置に向けて検討すべきと考えます。

——————————————

著者について

月本琢也 ツキモトタクヤ

1978年生まれ。神奈川大学卒業後、建築設備メーカーの営業マン、川崎市長阿部孝夫政務秘書、衆議院議員山内康一第二秘書(麻生区担当・国会担当・自民党→みんなの党)等を経て、2011年より川崎市議会議員(麻生区選出、当選3回、現在無所属)。交渉会派団長2回、議会運営委員会委員、川崎市農業委員、川崎市都市計画審議会委員等を歴任。今年度は文教委員会委員を務めている。13,000人の職員を巻き込んだ決算議会改革の実現、防犯カメラ設置補助事業の導入の実現など、ICT・コミュニティ・実効性から、SDGsのゴールを含めた持続可能なまちづくりを目指す。その他に、防災士、神奈川県クッブ協会代表理事等を務める。